Appleが提供するゲームのサブスクリプションサービスです。どのようなサービスか、Appleサイトのキャッチコピーを検証しながら説明していきます。
100以上のタイトルに無制限でアクセス
Apple Arcadeでは、(税込み)月額600円(※)で100以上(現時点で150)のゲームがプレイできます(1か月の無料トライアルあり)。2019年9月のサービス開始時に72タイトルがリリースされ、現在では1か月に2~4タイトルのペースで新作がリリースされています。
(※)年間契約の場合6,000円/年、さらに2020年10月末にサービスが開始された「Apple One」に加入すると、個人の場合、月額1,100円でApple Music,Apple TV+,Apple Arcade,iCloud50GBが利用できるため、(見方によっては)Apple Arcadeは実質無料。
リリースされているゲームは、ほとんどが新作で、どこかで見たことのあるようなものもありますが、キャラクターデザイン、世界観、やシステムなどにおいて独自性の高いものが多いです。
また、タイトル数は少ないですが、App Storeでリリースされたタイトルの続編やスピンオフ作品もあります。
一方、ジャンルとしてはアクション、アドベンチャー、スポーツ、レーシング、ロールプレイング、ストラテジーなど、多彩なジャンルとなっています。
Appleとしてはタイトル数の多さやジャンルの多彩さをアピールすることで、「飽きずに続けられるサービスである」ことを売り込むことを狙ったキャッチコピーとみられますが、私は、ユーザーがサービスを継続するためには、月額600円に見合う体験を継続して受けられることが重要だと思っています。
そのためには、タイトル数の多さやジャンルの多彩さだけでなく、のめりこむほど面白いゲームが毎月リリースされるとか、遊び続けたいと思えるゲームが常に数本あるとか、そういったことも重要だと思います。この辺りは、少しづつ良くなっていく兆しが見えてきているように感じます。
広告なし、追加の課金なし
Apple Arcadeでは、広告も追加の課金もなく、何度でも100以上のゲームにアクセスできます。また、ラインナップされているタイトルはいわゆる「落とし切り」ですが、タイトルによってはアップデートで機能が追加されたり、新たなモードが追加される場合もあります。その場合も追加の課金は必要なく、アプリをアップデートするだけで良いのです。
Apple Arcadeは、スマホゲームにおける、いわゆる「基本プレイ無料(課金ゲームとも言ったりする)」のゲームとは一線を画するサービスであり、「広告なし、追加の課金なし」は「基本プレイ無料」のゲームに何らかの抵抗や不満を感じるプレイヤーをターゲットとしたキャッチコピーだと思います。
私は5年以上「基本プレイ無料」のゲームで遊んでいた時期がありますが、こういったゲームはプレイヤーに長く続けてもらうための仕掛けが非常に良くできていると思っています。
また、無課金でも工夫次第で十分楽しむことができ、課金をする場合は、その程度にもよりますが、無課金者よりも刺激的な体験ができ、さらにゲームに没頭することができます。
一方、このようなゲームを長く続けるうちに、「ゲームを楽しんでいる」というより「ゲームをさせられている」感覚に陥る人(私はその1人です)も中には出てくるのではないかと思います。
Apple Arcadeは、そのような人に新たなゲームの楽しみ方を提供するサービスになりえるのではないかと思っています。
ダウンロードしてオフラインでもプレイできる
とは書いてありますが、通常はiPhone、iPad、mac、iPod touch、Apple TVなどの端末にダウンロードしてオフラインでプレイします。iCloudからのセーブデータ読み込み時以外は通信を行わないので、起動にかかる時間が通信環境に左右されることはなく、スキマ時間にサッと遊ぶことができます。
家族が6人までプレイできる
「Butter Royale」「クロッシーロードキャッスル」など、まだタイトル数は少ないもののマルチプレイ対応の良作がリリースされており、最大6人まで「ファミリー共有」に招待すると、ファミリーで一緒に遊ぶことができます。
一つのデバイス上でゲームを始めて、別のデバイスで続けられる
複数の端末に同じゲームをインストールすることにより、外出時はiPhone、自宅ではiPadやApple TVといった、その場に適したデバイスで続きをプレイすることができます。
個人情報を共有するかどうかを自分で決められる
ゲーム自体にはあまり関係がないかもしれませんが、こういうところもちゃんと考えてくれるところは安心できます。
スクリーンタイム、ペアレンタルコントロールと連携
「ファミリー共有」で招待した子供の「スクリーンタイム」の設定により、Appの使用制限を設けることなどができます。家族でプレイするユーザーにとっては大事なサービスだと思います。
Bluetooth対応のXboxワイヤレスコントローラ、Playstation Dualshock4、MFiゲームコントローラも使える
アクション系など細かな操作が要求されるゲームでは、スマホのタッチ操作では思うように対応できず、ストレスを感じることも多々あります。
そんな時、コントローラを使うことで操作性が劇的に改善され、快適にプレイすることができるようになります。
リリース当初にコントローラーに対応していなかったタイトルも、アップデートで順次対応がなされています。
余談ですが、アクションゲーム「深世海(CAPCOM)」は、コントローラ無しでも操作面でほとんどストレスを感じることはなく、素晴らしいゲームだと思いました。
なお、Apple TVでApple Arcadeのゲームをプレイする場合は、ほとんどのタイトルでコントローラが必要となりますので、ご注意ください。
まとめ
Apple ArcadeはiPhone,iPad,mac,iPod touch,Apple TVで100タイトル以上のゲームが定額、オフラインでプレイでき、今後も独自性の高い新作がリリースされるサブスクリプションサービスです。
ゲームに少しくらいコストをかけても良いので、独自性の高いゲームを色々と遊んでみたい、という方には適したサービスではないかと思います。