200以上のゲームがプレイ可能なApple Arcadeには、最近では1か月に4~5本のペースで新作(あるいはApp Storeの人気タイトル)が追加されている。以前から、配信されているタイトルがなくなることはないのか疑問に思っていたが、その答えが少し明らかになってきた。2022年7月17日以降、「まもなく配信終了のゲーム」がApp StoreのArcadeタブで通知されているのだ。
配信終了となるゲーム
まもなく配信終了と通知されているゲームは、Apple Arcadeのサービス開始日(2019年9月19日)にリリースされた72タイトルのうち、以下の15タイトルだ。
参考までに、Arcadeで確認できる、各タイトルのユーザーによる評価(2022/7/19現在)を載せた。評価が4.0未満が7タイトルと、全般的にみると評価の低いタイトルが多いように感じた。一方、評価が5.0やそれに近いタイトルもあるが、レビュー数が少ない。そのためレビューはあくまで参考の一つとしてとらえるべきかと思う。
タイトル名 | 評価(5段階) ※2022/7/19現在 |
---|---|
VARIOUS DAYLIFE | 3.5 |
Spidersaurs | 3.5 |
Over the Alps | 3.7 |
バトルスカイブリゲード:ハープナー | 5.0 |
Towaga:Among Shadows | 4.3 |
Projection:First Light | 3.4 |
Explottens | 3.6 |
EarthNight | 4.4 |
Lifeslide | 3.7 |
Spelldrifter | 4.8 |
Dread Nautical | 4.0 |
少女とエルダーツリーの秘密 | 4.0 |
Cardpocalypse | 3.6 |
Dead End Job | 4.1 |
Don’t Bug Me! | 4.5 |
さて、今回の配信終了の理由を、Apple Arcadeのビジネスモデルから考えてみた。ただし、ビジネスモデルは明らかにされていないため、あくまで想像である。
Appleの開発者用サイトではApp Storeにおけるアプリのビジネスモデルとして、「無料」「フリーミアム」「有料」「ペイミアム」の4つが挙げられており、「開発者はビジネスモデルを決定してからAppを開発することで、統一感のあるユーザー体験を提供するAppの設計が可能になる」と書かれている。
なお、4つのビジネスモデルのなかで「フリーミアム」がいわゆる「基本無料ゲーム」のビジネスモデルだ。無料で開始できることでユーザーにとっての入口が広く、App内課金による収入を見込める点が開発者にとっては大きなメリットだと思われる。
Apple Arcadeは複数のゲームというAppで構成されるサブスクリプションサービスであるため、そのビジネスモデルはこれら4つのビジネスモデルとは異なり、収益(日本の場合\600/月×契約ユーザー数)を、Appleと開発者が分配するビジネスモデルではないだろうか。
どのように収益が分配されているかは想像するしかないのだが、おそらく配信されているタイトル数で均等に分配ということではなく、何らかの指標によりApple Arcadeの収益への貢献度が評価点として定量的に評価され、その評価点により開発者へ収益が分配されているのではないだろうか。
具体的には、ユーザーの行動履歴をもとに、Appごとの総プレイ時間やGame Centerにおける実績の達成状況を数値化したり、あるいは長期契約ユーザーがプレイしているタイトルのプレイ時間には加点要素を設けるなど、様々な指標により定量評価が行われているのではないかと思う。
そうであるならば、ダウンロード数やプレイ時間の少ないタイトルは、Apple Arcadeの収益に貢献していないとみなされ、配信終了という運びになったのではと推察する。あるいは、当初から配信期間が3年と決まっていたのかもしれない。
終了時期はまもなくとのことだが、7月末なのか、Apple Arcadeのサービス開始から3年となる9月19日なのか、現時点では明らかではない。
現在私の端末にダウンロードしてあるタイトルもあるため、配信終了を迎えるとどうなるのか(例えば自然に消えてしまうのか)、今後フォローしたいと思う。
(2022年8月1日追記)
8月1日時点で、上述の15タイトルはApple Arcadeのラインナップから消えており、ダウンロードができなくなっている。これにより、現在Apple Arcadeのタイトル数は244タイトルとなっている。
ただ、配信終了となったタイトル全てを確認したわけではないが、端末にダウンロードしているものはプレイ可能であり、保存しているデータも残っていた。